同窓会会長 提橋 和男(2010.07)
2010.7.9 (金) 神宮球場

葛飾商 野球部 主将 槇島光志(3年)君が
試合の内容とともにメディア紹介されました。←click
今大会への抱負=葛商野球部
今年の夏の大会では、日々練習でやりぬいてきたことを自信に変えて、今まで葛飾商業野球部を支えてくださった人たちへの感謝の気持ちを前面に出し、一戦一戦、葛飾商業らしいプレーで勝ち抜きます。
(主将 槇島 光志)
過去三年、夏の大会の戦績
19年=五回戦 20年=二回戦 21年=三回戦 |
2010.07.09 神宮球場
7月9日、神宮球場で行われた葛飾商業ー日大桜丘戦は葛商野球部にとってまさに「この一戦」であった。最後の夏を迎えた3年生にとって、一試合で高校野球を終えてしまうのか、3回戦の帝京戦まで試合が出来るのか・・すべては、この一戦(日大桜丘戦)にかかっていた。
「この一戦」に勝つことは一試合でも多く選手たちをグランドに立たせてあげたいという父母会や野球部を支える人々の悲願であったかもしれない。
結果は9x−2(8回コールド)で結局一回戦敗退となり悲願は実らなかった。
◇ 神宮球場 9:00〜 (8回コールド) ◇ |
葛飾商 |
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日大桜ケ丘 |
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4× |
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9 |
しかし、試合内容を振り返れば、「勝てない試合」ではなかった。勝ったかもしれない試合がコールド負けになったところに葛商野球部の課題があり、この課題を克服できればもっと上を狙えるチームになるだろう。
試合前の予測
葛飾商業が日大桜丘に勝つための条件がある。投手が普段通り確りとした投球ができること。(ストライク先行。四球を出さない。)
守備陣は失策をしない。全員野球でガッチリ守って失点を最小限に防げれば、相手は都立高校に対するプライドもあり、そこにつけいる隙ができ、勝つチャンスができる。
逆にいえば、葛飾商業の負けパターンは投手が四球を連発し、これにエラーが重なって失点して負けるという傾向がはっきりしている。
強豪相手に選手が精神的に押されて、普段の野球ができなくなるためと思われる。選手が平常心を保ち全員野球が徹底できれば勝つチャンスができるということである。
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試合開始のあいさつ |
7回までの試合内容
まず、改めて7回表までのスコアーを見ていただきたい。葛飾商業が3−2と1点差に攻め上げている。日大桜丘にすれば1点はリードしているものの嫌な展開になって、勝ちを確信でき状態ではない。試合の流れからいって「負け」も監督の頭の中に浮かんだかもしれない。
葛飾商 |
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日大桜ケ丘 |
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円陣を組んで健闘を誓いあうナイン |
7回までの試合内容を振り返れば、立ち上がりこそ日大桜丘の中島選手、此島選手の連続二塁打などて葛飾商業は2点を失ったが、坂田投手−伊藤捕手のバッテリーが踏ん張って2点で抑えたのは大きかった。2回から立ち直った坂田投手は日大桜丘打線につけいる隙を与えない。
相手のクリンナップに対しても臆することなく堂々と投げ勝って抑えきった。
4回の失点は内野のエラーが重なったもので防げた失点である。
一方攻撃陣は無死満塁のチャンスを三重殺で逃すなど拙攻が響いて得点できない。しかし日大桜丘は3−0のスコアーとなっても坂田投手を打ち崩せず追加点が奪えない。逆に葛飾商業は拙攻とはいえチャンスを作ってヒタヒタと迫ってくる。
都立を相手に「こんなハズではなかった」という思いが日大桜丘にジワジワと広がっていったと思われる。
その証拠に桜色の応援席が、葛飾商業がチャンスを迎える度に硬直して誰一人動かなくなっていた。応援席が青くなって声もなくただ祈るように必死にグランドに注目している様子は、7回まで何度もあった。
7回の攻防がキーポイント
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7回裏の攻撃を前に円陣を組む 日大桜丘 |
7回の表に葛飾商業が1点を挙げて1点差に迫るといよいよ試合の行方はわからなくなった。葛飾商業にとって7回裏の守りをゼロに抑えれば試合の流れは完全に葛飾商業のものになる。
7回裏の攻撃を前に日大桜丘ベンチではミーティングが行われ監督の檄が飛んでいた。まさに7回の攻撃が最大の山場であったのである。
結果として、日大桜丘はエラーをきっかけに2点を加点し葛飾商業を突き放すことに成功した。
葛飾商業野球部の課題。
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試合終了:応援団にあいさつする葛商ナイン |
今回7回まで葛飾商業が善戦できたのは試合前の予測通り投手が確りとした投球ができたこと。バックの守りの破たんが少なかったことに尽きる。守備の破たんがなければ4回の失点はなかった。7回裏も2死走者なしのところが、1死走者2塁となって相手に勢いを与えてしまった。
エラーの失点がなければ7回を終えて2−2であった。立ち上がりの2失点もその後の坂田投手の投球を見ればあるいは防げたかもしれない。また打線は得点のチャンスをひとつでもものにしていれば、7回の時点で十分4−0で葛飾商業がリードしていた可能性は大きい。
これはレバタラではなく、これまでの試合を振り返って共通のことである。
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スコアボード |
8回にコールド負けとなったのは、選手のスタミナの問題だろう。強豪相手に互角に戦ってきた裏には、知らず知らずに精神的な疲労が重なって崩れてしまったと思われる。
勝つチームに変身するためには、投手がしっかり投げ切ることと、鉄壁の守備陣を作ることだろう。それらは技術ばかりではなく、どんな強豪相手でも、どんなビンチでも動じない精神力とスタミナ、そしてチームワークをつくることだ。
「自分を信じろ。仲間を信じろ。全員野球」のスローガンをチーム全員が心をひとつにして実行できれば、葛飾商業野球部はもっと勝てるチームとなる。
もう一度いうと「基本をしっかり」。当たり前のことを当たり前に出来るようになって、試合でそれを実行できるように鍛錬してほしい。
それにしても坂田投手−伊藤捕手のバッテリーは日大桜丘打線を抑えたことで大きな自信になつたことだろう。あとは長丁場を投げ切るスタミナと一層の制球力に磨きがかかれば来年は楽しみである。
最後に・・・
昨年の高輪戦のスコアーを見ていただこう。
2009年7月18日 神宮第二球場
葛飾商 |
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高 輪 |
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× |
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6 |
この試合も4回裏の4失点がなければ3−2で葛飾商業が勝っていた。しかも前半、打線は押し気味で拙攻がなければさらに得点が入っていた。先に得点していれば4回の失点はなかったかもしれない。
エースの平投手は力のある投手だったので、抑えることは十分出来たハズである。4回は制球の乱れが生じて自滅した形である。
この試合こそ「高輪」は本来負け試合を、「葛飾商業さん」に勝たせていただいた試合だったというのが本音だろう。
勝負の世界は結果がすべてだけれども、敗因は先に書いた通り日大桜丘戦と共通している。
葛飾商業野球部が強くなるための課題は見えている。選手諸君が課題を理解し克服するトレーニングを続けられれば、来年は強い葛飾商業野球部がみられるだろう。
試合後の選手の挨拶に、かつて前・山下敬緯子校長が「もっと試合をさせてあげたかった」と流した涙を思い出した。それが葛飾商業野球部を応援した皆の心だと私は思います。
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試合を終えて応援団にあいさつする3年生部員 (左端は柏原監督) |
葛飾商業野球部よ、さらに強くあれ。
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応援旗 |
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試合終了、あいさつする両軍ナイン |
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応援する野球部OB |
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葛商応援団 |
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日大桜丘応援団 |
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