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開幕試合の始球式を終え、笑顔を見せる気仙沼向洋
の斉藤弘樹投手(中央)
=5日、甲子園 (時事) |
始球式
甲子園始球式を務める被災地の球児。
高校生活最後の一球に思いを込める。
さまざまな思いを胸に、こん身の1球を投げ込んだ。6日、甲子園球場で開幕した第93回全国高校野球選手権大会の始球式を務めた気仙沼向洋高(宮城県気仙沼市)3年の斉藤弘樹投手。
「甲子園のマウンドに立たせてくれたことに感謝して、全力で投げた」。すがすがしい笑顔を見せた。
同校は昨年夏、宮城大会で決勝に進出。夢の甲子園に近づいた。
だが東日本大震災の大津波で校舎もグラウンドも使えなくなった。
練習どころではない。
野球部が活動を再開したのは震災から約1カ月後。
その間、部員たちは被災地でのボランティア活動に精を出した。
ただ、高校球児としては「野球ができずに、つらかった」と言う。
今夏の宮城大会は2回戦で惜敗。だが、思わぬ形で聖地の土を踏む機会が訪れた。
マウンドで帽子を取って深く一礼。
1回、2回と息を吐いて気持ちを整える。右腕から投じた直球は左打者の外角にそれたが、捕手のミットにズバッと収まった。「ストライクは取れなかったけれど、コントロールは良くないので」と苦笑いしたが、満足感がにじみ出ていた。
(2011/08/06-17:56)
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