先陣宮城県大会
77校の思いを込めて宣誓
柴田 佐藤主将「未来へ進むと信じて」
2011.7.10 スポーツニッポン
あれから120日がたった。
震災時に粉雪が舞ったみちのくの空には灼熱の太陽が輝く。
梅雨の合間の快晴は球児たちへの贈り物か。
開会式の選手宣誓。
柴田の佐藤主将は79秒間のメッセージに思いを込めた。
「被害を受けた多くの方々は普通に生活ができていたことが、どれほど幸せだったかをあらためて実感していると思います」
感謝の気持ちを胸に刻み、力強く生きる宮城の球児たちを代表しての言葉だった。 |
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3月11日。練習中に被災した同校は無事だったが、宮城県亘理町の佐藤の自宅は津波にのみ込まれた。
家は全壊。一時は知人の車の中で過ごした。
その後は避難所生活で、仮住まいのアパートに引越ししたのは4月上旬。ふたたびボールを握ったのは4月20日だった。「野球ができなかったから喜びや人々に温かさを感じ下を向いちゃいけないと切り替えられた」。
折れかけていた心を野球が支えた。
佐藤のユニホームは津波で流された。残ったのは部室にあったグラブとスパイクだけ。開会式は前チームの副主将・山田大生(たいき)さんのユニホームを借りた。そのユニホームで堂々と行進し、しっかり前を向いて宣誓。グラウンドに立つ誰もが同じ思いだった。被災した14校すべてが開会式に参加し、行進では石巻、石巻工、宮城農の3校が横断幕を待った。
被災地の先陣を切って宮城大会が開幕。「あきらめない街・石巻!!その力におれたちはなる!!」の横断幕を手に堂々の入場行進をする石巻工ナイン(撮影・高橋雄二) |
「感謝を力に」の言葉を仲間と携えて行進した宮城農・佐藤主将は「支援物資がなければ野球ができなかった。被災をハンデと思わず、被災した人たちを励ますようなプレーをしたい」。と言った。
震災の犠牲者を悼み黙とうもささげられた。スコアーボードには各参加校から寄せられたメッセージが表示された。
それぞれの特別な思い白球にこめる夏。宮城から魂のメッセージは全国へと届き、被災地に夏の救音が響いた。
(東尾 洋樹)
「あきらめない」横断幕、スタンドに登場 宮城大会
2011年7月23日10時32分
(22日、利府3―2石巻工) 宮城大会開会式の入場行進で石巻工の選手が掲げた横断幕が22日、スタンドにお目見えした。
「あきらめない街・石巻!! その力に俺たちはなる!!」。力強い文句で全国に知られた横断幕を筆で書いたのは、書道を教える鈴木康子教諭(38)。
「(津波で被災した)泥だらけのグラウンドを整備している部員を見ていたので、一つでも多く勝ってほしい」と話した。
写真より
石巻工側スタンドには、
選手が開会式の入場行進で掲げた横断幕が
お目見えした=加藤諒撮影
asahi.comより
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