石巻 希望の一戦
【宮城】石巻、希望の一戦
グラウンド整備助け 深めた友情
東日本大震災で多くの選手が被災した石巻西と石巻工が対決した。3年前、2年前の夏に対戦し、1勝1敗のライバル。ともに1か月以上練習できないハンデを乗り越え、勝ち上がってきた。
石巻工のグラウンドは、津波で厚さ20センチ近いヘドロに覆われ、被害が少なかった石巻西が手伝いを申し出た。ほぼ全員の25人が7時間も、家の柱などのがれきをトラックに積み、凸凹のグラウンドを踏み固めた。「『ありがとう』と声をかけられ、疲れも吹き飛んだ」と石巻西の阿部俊主将は振り返る。
試合は、食い下がる石巻西が九回、3点を返し、なおも二死三塁と粘ったが、石巻工が1点差で逃げ切った。試合後、阿部俊主将から「希望」とあしらわれた千羽鶴を手渡された石巻工の黒川主将は「お世話になった西高の分も、石巻を元気づける試合をしたい」と誓った。(小林泰裕)
▽3回戦
石巻工 7 ― 6 石巻西
(2011年7月19日 読売新聞)
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