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準優勝メダルをかけた光星学院・秋田教良投手(中央)
=甲子園球場(志儀駒貴撮影)(写真:産経新聞) |
東北勢にそろそろ一度、優勝してほしいと楽しみにしていたので残念です。光星学院のエース秋田は、決勝戦では制球が甘くなったところを破壊力のある日大三打線につかまってしまった。しかし多彩な変化球に、要所では140キロ台中盤の直球と緩急をつけた頭脳的な投球が印象に残った。
光星学院は投打ともに全国レベルに達していることを、改めて示したといえるだろう。42年前、試合ごとに勢いづき、気がつけば決勝まで勝ち進んだ高校野球の典型的なチームだった僕たちのときとは、あまりにも力の違いがある。
光星学院を含め、東北勢には優勝できるチームが多い。プロ球界をみてもダルビッシュ(東北−日本ハム)、由規(仙台育英−ヤクルト)、坂本(光星学院−巨人)ら東北勢OBが中心選手になっている。今大会でも聖光学院の歳内、3本塁打の光星学院の川上らがプロから注目されているように実力的にはいつ優勝校が出ても不思議ではない。
今回は東日本大震災のあと、初めての夏の大会ということで、東北代表校が背負ってプレーした様々な思いは、何よりものパワーになったはずだ。とくに決勝進出を果たし、被災地に勇気を与えた光星学院の健闘には拍手を送りたい。日大三の前に最後は力尽きたが、東北勢が甲子園で頂点に立つ日が必ず来ると信じている。=第51回大会(1969年)準優勝投手
産経新聞 8月20日(土)17時38分配信
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