■ 大会5日目、あるいは大会6日目。
やはり、この日に甲子園で最初の試合をすることが優勝するための重要なポイントになるのではないだろうか――。
この夏の甲子園も、春に続き、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の3県を中心とした東北勢への注目度はいやが上にも高まる。
そんな状況下、現時点で東北勢初となる全国制覇の可能性がもっとも高いのは、5年連続出場となる福島の聖光学院である。それに続くのが2年前、菊池雄星(西武)を擁して春準優勝、夏ベスト4を経験している岩手の花巻東だ。
駒大苫小牧で夏2連覇を達成したときの監督、香田誉士史(現鶴見大コーチ)も以前、こんな話をしていたことがある。
「東北で優勝するとしたら、聖光学院か花巻東だと思う」
両チームともタイプは違うが、駒大苫小牧がそうであったように、強豪私学でありながら公立校のような泥臭さを持っている。こういうチームは、格下に足を掬われるような試合をしない。相手によって極端な出力の加減をしないこと。これは、トーナメントを勝ち進む上での鉄則である。
そんな2校が戴冠するための条件。それが、組み合わせ抽選で「2回戦登場」のクジを引くことだと思うのだ。
■ 2回戦から甲子園に登場すれば、ひとつ少ない試合数になる。
ご存じの通り、例年、夏の甲子園には49代表校が出場する。
この校数でトーナメント戦を行うと、内15校が2回戦から登場することになる。通常だと5日目の第3試合から7日目の第3試合までが「2回戦登場」になるわけだが、7日目だと少々間延びしてしまうため、5日目か6日目あたりがベストだ。
1回戦登場のチームが優勝までに6試合戦わなければならないのに対し、2回戦登場のチームは5試合で済む。体力勝負となる夏の大会は、この1試合の増減が明暗を分けることがある。
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